特集|お散歩名建築  vol.1 神奈川県立近代美術館

不定期連載のコンテンツです。
建築の専門家でもなんでもない私が
お散歩気分で味わえる身近にある
名建築をご紹介します。

 

お散歩気分で名建築を味わう

普段は何気なく通り過ぎているその場所に
意外と名建築ってあったりします。
意識していなかったけど、この建物きになるな。。。
あまりに自然だから通りすぎていたけど
実は結構有名な建物だったなど、
案外身近にある名建築。
歴史的に有名なものもそうでないものも、
お散歩の先にそんな素敵な建物があったらうれしい。
そんなお散歩に行く気分で
建築も楽しめたらなと思います。

 

建築に興味をもったきっかけ

 

建築っていうと堅苦しいのですが、
素敵な建物ってありますよね。
私がいわゆる建築に興味をもったのは
以前にblogにも書きましたが、
軽井沢の脇田美術館に行ったときだったと思います。

脇田和さんの絵はそれはもちろん素敵なのですが、
それを更に素敵にみせている空間がとても印象的でした。
脇田美術館は脇田さんのアトリエが美術館になっていて
はじめて行ったときにはまだ脇田さんはご存命で、
お姿はおみかけしませんでしたが、
作家の気配のようなものがありました。

建築を身近に感じはじめた時期

あんなに素敵な空間はどなたが設計されたのだろうと
調べたところ、設計は吉村順三さん。
モダニズム建築を代表とする建築家の方です。
吉村さんの周辺を色々と調べていくうちに
気が付けば旅や散歩にでる理由が建築をみにいくことだったり、
すぐそばにある建築が実は有名な建築家の設計した
建物だったりと色々と発見がありました。

建築の場合、お取り寄せができないので
その場にいってみるしかない。
これが今お家にいて何でも手に入る(自分でもwebのお店をやっていますが)
世の中で、実はとても価値が高いことなんじゃないかなと思います。

私は建築に詳しいわけでもなんでもありませんが、
素晴らしい建築に触れる経験は何にも代えがたいとも思います。

 

第一回目は鎌倉県立近代美術館

第一回目は近場の建築をご紹介するつもりでしたが、
鎌倉県立近代美術館が1月末で閉館ということで、
駆け込みセーフで行ってきました。

鎌倉県立近代美術館(通称:カマキン)は
吉村順三さんと同時期の建築家である
坂倉準三さんの設計です。

私はここに坂倉準三展、アントニンレーモンド展など、
何度か足を運んだことがあり、
場所も鶴岡八幡宮の敷地内ということもあって、
折に触れて立寄った思い出深い美術館でもあります。

そんなカマキンですが鶴岡八幡宮との借地契約の関係で
1月をもって閉館。
取り壊しはしないようなのでよかったですが、
こうして時代の流れとともに
よい建物がどんどんなくなったり、
立ち入ることができなくなったりしています。
ある程度は仕方ないのですが
できれば活用していく方向で保存していきたいものです。

DSC_0650

DSC_0651

DSC_0652
本館中庭。
あいにくの雨でしたが、中庭好きとしてはたまらない中庭です。
この美術館は外の部分もかなり広いのです。

DSC_0653
美術館は池に張り出してつくってあって、
新館と本館をつなぐ部分にもアートが。
こういった構成も素敵ですね。

DSC_0655

DSC_0658
壁は大谷石で囲われていて、
それがまた素晴らしい。
この美術館は戦後まだ間もない資材不足の中
建てられたのだけれども、
コンクリートうちっぱなしというイメージも強い
モダニズム建築とはちょっと違う印象を受ける。
しかし、大谷石いいですねー。

DSC_0657

DSC_0659

DSC_0660
池にせりだしたいわゆるピロティ部分も
この建物の印象的なところだと思う。
この日は雨だったのでみられなかったけど、
晴れていると池の水面がきらきら輝くのが
屋根部分に反射してそれがまた美しい。

DSC_0661

DSC_0662
そのピロティ部分から、
鶴岡八幡宮の鳥居がみえたり、
1つの美術館にいるのだけど、
まわりとの調和が感じられてよい。
あー晴れた暖かい日に来たかったな。。。

DSC_0665
ここにも大谷石。
晴れた日だと、
ここから光が差し込んでとても美しい。

DSC_0664

DSC_0663
設計を担当した坂倉準三は
モダニズム建築の巨匠コルビジェに師事していたこともあって、
来日時に美術館を案内している。
見えにくいけど、写真の2人のあしあとが中庭にしるしてありました。

建築については専門家でもなんでもないので
専門的にどうこう言うことはできないけれど、
改めて、本当に好きな空間だったなとおもいました。
まぁここでみた展示もすごく
印象的だったこともあるのだけど、
私にとっては鎌倉といえばこの美術館といっても
言い過ぎではないので、
閉館はなんだかとても寂しいです。
展示の際、こちらの設計に携わった建築家の方のインタビューが
また興味深かったです。

坂倉準三さんは設計する際、
周囲との調和、
建物があたかもずっと前からあったように設計するよう
こころがけたそうですが、
良い建築ってまさしくそうだなーと思います。
奇抜な建築物が素晴らしいわけではないのだなと
改めてかんじたのでした。

閉館が残念ですが、
取り壊さないのがせめてもの救い。
またいつか復活してほしいものです。

今後も不定期でお散歩気分で楽しめる
名建築をご紹介できたらなと思います!!

もっと知りたいこと・コメントがありましたら、
こちらまでどうぞ!

素敵なメルマガをどうぞ! totteoki03

当店の公式アカウントはこちら! instagram