特集|大人も読みたくなる絵本 vol.2 ヨシタケシンスケさんの本
不定期連載、「特集|大人も読みたくなる絵本」
今月ご紹介する本は
ヨシタケシンスケさんの本です。
ヨシタケシンスケさんの絵本、
既によく知っている方もいらっしゃるかもしれません。
私も絵本作家としてのヨシタケシンスケさんは
最近知ったところなのですが、
存在をはじめて知ったのは約15年ほど前のことです。
ヨシタケさんを知ったわけ
当時、私はお世話になっていたカフェ運営の会社が
お台場にプロデュースした
某インターネットプロバイダがはじめた
インターネット&デザートカフェに勤務していました。
(ややこしくてすみません。。。)
そこのカフェではたまに企画展示などもやっていて、
はじめてヨシタケさんを知ったのが
イラスト展、「おそらく後日改めて」展が開催された時のことです。
そのときはイラストを壁一面に飾っての展示だったのですが、
どれも面白くて、展示の図録を購入し
(図録と言っても自分で印刷したような簡易なもの)
図録の裏にイラスト入りのサインまでいただきました!!
(今となってはとっても貴重)
派手さは全くないけど、
ヨシタケさんの観点がとてもユニークで
すごく面白かったのが印象的。
展示のタイトルもシュール!!
最近、たまたま絵本が大人気ということを知って
手に入れて読んでみると相変わらずの面白さ。
と同時に当時はまだかけだしのイラストレーターだった
ヨシタケさんが売れっ子絵本作家になっていて
ちょっとした母心ですごくうれしくもなりました。
(特に何もしていないのですが)
今回はそんなヨシタケさんの絵本をご紹介したいとおもいます。
websiteのカブリモノシリーズもおすすめです。
何度読んでも面白い!!「もうぬげない」
タイトル通り、自分でぬぐと言って
首にシャツがひっかかってぬげなくなってしまった男の子のお話。
このシチュエーションが、
お子さんがいらっしゃる方でしたら、
経験としてわかるのでは?とおもいます。
私も急いで肩のボタンを外しわすれて
無理矢理脱がしたりすることがあります。
こどもならではの想像力と
かわいらしさが全開です。
私が大好きなのは
この、ズボンを先に脱いでしまえばいいのでは?
とズボンすら脱げなくなるシーン。(笑)
親としては「なにやってんの~」と
このお母さんのように
いいかげん全部脱がしておお風呂に連れて行くところも大共感。
でもどこまでもかわいくて、いとおしくて、
こんな時期って長くはないものなと、
夜の読み聞かせの時にもとても
温かい気持ちになります。
こどもたちもこの本が大好きで
寝る前の絵本にもってきます。
自分でも「もうぬげない」といって
同じようにやっている姿をみているとほほえましい気持ちに。
何でもない日常を切り取っているんだけれど、
そこにはヨシタケさんワールドが広がっていて
とても面白いのです。
小さなお子様にもわかりやすいのでおすすめです。
1個のりんごから想像力全開の世界に「りんごかもしれない」
この本はちょっと大きなお子さん向けかもしれませんが
(話もちょっと長いので)
子ども達も大好きなりんごが主役なのと
「~かもしれない」というフレーズが
覚えやすくて、よくお話を聞いています。
よく考えたら、目の前の1個のりんごは
もしかしたらただのりんごでないかもしれない・・・
から端を発してここでもヨシタケワールド炸裂です。
これだけ1個のりんごから
色々なものを想像できるのに
単純にわくわくするし、
こどもの想像力を刺激するのにもいい。
おとなになるとたいていのことは
何であるかがわかってしまっているのだけれど、
もしかしたらりんごは
りんごじゃないかもしれないと
考えてみるだけで何だか面白い。
こういう時間って
おとなにも必要なんじゃないかなと思います。
これは本当におとなが読んでもおもしろい。
おとなになると想像するってことが極端に減ってしまうと思うので、
(少なくともわたしはこの本を読んでとても新鮮でした。)
そういう意味でも面白いです。
自分ってなあに?「ぼくのニセモノをつくるには」
最後に、「りんごかもしれない」シリーズの1冊。
色々なことにうんざりげんなりしていた「ぼく」が
ロボットを「ぼくのニセモノ」にしてしまおうと
ロボットを買ってくる。
買ってきたロボットを「ぼくのニセモノ」に仕立てるべく
「ぼく」がロボットに「ぼく」のことを説明するストーリー。
ロボットに自分のことを説明しながら、
自分ってなんだろう?
と改めてよくよく考えるのですが
これもおとなにも必要なときがあると思います。
「じぶんのことをかんがえるのって
めんどくさいけどなんかちょっとたのしい気もする。」
という一文がいいいですね。
まさにその通りと思います。
うちの子達はまだ小さくて
「自分って~」という問いにたくさんは答えられないけど、
この「ぼく」のように
じぶんのことを考えるのを楽しんでみるのっていい。
ヨシタケさんはヨシタケさん
ヨシタケさんは15年たっても相変わらずヨシタケさんでした。
絵本作家の荒井良二さんもそうですが、
こどもって天才ってよくいうけど、
ヨシタケさんにしても荒井さんにしても
姿かたちは大人だけど、
中身はずっとこどもであり続けているんだなとおもいます。
あり続けようとしてるのかもしれませんが・・・。
今後もヨシタケさんをこっそり応援したいと思います。(笑)
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