特集|中村恵子さんのうつわ

作家特集、第一回目は栃木県益子町にて作陶されております
中村恵子さんをご紹介します。

中村恵子さんのうつわは気負わず使え、
それでいて毎日のごはんがぐっとおしゃれに見えるのが一番の魅力です。
当店でも開店からずっとご紹介しており、
既にファンの方も多い作家さんです。

今日はそんな中村恵子さんのうつわ達や、ご自身の考え方、
うつわの使い方をまとめてみようと思います。


会員登録はこちら

 

この特集の目次

1. 中村恵子さんのうつわ達(魅力と特徴)
  (1) うつわの色
  (2) うつわの形

2. 中村恵子さんのうつわ作り
  (1) うつわとの出会い
  (2) プロフィール
  (3) うつわ作りの考え方・作り方

3. 中村恵子さんのうつわと過ごす365日(使い方とラインナップ)
  (1) 春夏秋冬
  (2) 定番料理やお茶の時間

1. 中村恵子さんのうつわ達

 
中村恵子さんのうつわの魅力は何と言っても
日常使いしやすいのに、
日々の何でもないごはんが素敵にみえてしまうことだと思います。
それでは中村恵子さんのうつわの魅力を、
「色」と「かたち」からみて行きましょう。

(1)うつわの色

 
DSC_2170
粉引は黄色みをおびていて温かみがあります。
粉引はそのときの窯の状況によってもかわってきますが
真っ白ではなく焼き目もしっかりついた
なんとも風情のある表情が魅力的です。
どんなうつわにも組み合わせられる、使いやすい色だと思います。
 
DSC_2171
また、深緑は中村恵子さんのうつわを象徴する色だと思います。
洋服なんかではよくあるけれど
うつわではあまり見かけない深緑色。
でもこれが色々なお料理によく合うんです。
中村恵子さんの深緑は、
うつわ選びをもっと自由にさせてくれる色だなぁと
使うたびにしみじみ思います。
 
DSC_2176
中村恵子さんは、黒釉のうつわも作られています。
マットながら控えめな艶が落ち着いていて、使いやすいです。
粉引や深緑との組み合わせも素敵です。
 

(2)うつわの形

 
PRD_NK-BWL-13_6-1_rsd
中村恵子さんのうつわの形はとてもシンプルで
ベーシックなものが多いから毎日のごはんに使いやすい。
アイテムもプレートなどをはじめ、ベーシックなものが多いのに、
とても洗練されていて使い心地がいい。
 
PRD_NK-PLT-2 (7-3)_rsd
PRD_NK-BWL-18_6-4_rsd
さらに、シンプルなだけでなく、使いやすい。
例えばプレートの場合、
底の部分の削りが深くとってあるので手に持ちやすく、
7寸鉢は平たい鉢の形状のおかげで
とても盛りつけがしやすい。
機能的にも優れていて、
ついつい手にとってしまうんだと思います。
 

2. 中村恵子さんのうつわ作り

(1)中村恵子さんのうつわとの出会い

 
そもそも中村恵子さんとの出会いは益子の陶器市でのことでした。
黒、深緑、粉引の落ち着いた色目、
シンプルだけれどとても使いやすそうな形。
毎日のごはんをそっとでもしっかりと盛り上げてくれそうな
そのうつわをいくつか持ち帰ったのでした。
 
それ以来、ほぼ毎日毎食のように食卓に登場する中村恵子さんのうつわ達。
 
使うたびにその期待を裏切らない仕事ぶりに
いちいち感心させられます。(おおげさでなく)
 

(2)中村恵子さんのプロフィール

 
ここでちょっと中村さんのプロフィールをご紹介。
 
1979年 栃木県壬生町に生まれる
2001年 文化女子大学卒業
2001年 陶房「わかさま」にて修行
2007年 益子にて独立
 
栃木県ご出身ということもありますが、
若い作家を受け入れる益子の土地柄もあって、
益子で独立されたそうです。
 
確かに益子には中村さん以外にも
たくさんの若手作家さんが独立して作陶されています。
若手作家がのびのび制作できる環境はいいですね。
 

(3)中村恵子さんのうつわ作りの考え方・作り方

 
中村恵子さんの工房を訪ねたのは、
はじめて陶器市でうつわを手にした約半年程あとのことでした。
ちょうど春の陶器市を終え、
のんびりとした雰囲気の益子の街。
中村恵子さんとは同年代(私の方が少し上ですが・・・)もあってか
リラックスした気持ちでお話しすることができました。
 

中村恵子さんのうつわの「釉薬」

 
DSC_2174
中村恵子さんの器の特徴である深緑色の釉薬は、
百を超える試行錯誤を経て生まれたものだそうです。
なかなか気にいった色ができず、少しずつ調合を変えていったところ、
ようやく見つけたものだそうです。
 
DSC_2167
また、粉引については、焦げの風合いを出すため、
窯の一番上の温度が高い所で焼成させているそうです。
 

中村恵子さんのうつわの「かたち」の作り方

 
中村恵子さんのうつわの形は、
毎日ご自分でうつわを使うなかで生まれたかたちなのだそうです。
一見シンプルなものが多いですが、
使ってみると持ちやすかったり、盛りつけしやすいのは、
中村恵子さんの細やかな気遣いが反映されているように感じます。
 

中村恵子さんの「うつわへの想い」

 
中村恵子さんのうつわは、
作家もののうつわのなかでも比較的価格が抑えられています。
「作家が作ったうつわをもっと使ってほしい。
私の作ったうつわがきっかけとなって、
他の色々な作家さんのうつわに対しても興味がわいてくれればいいな」
と考えているそうです。
 
私も、世の中には色々な面白かったり素敵なうつわやお店ってあるので、
うつわに興味がでてきたのなら、
色々なお店にも行ってほしいなと思っています。
中村恵子さんのうつわ作りに対する考え方にはとても共感したのでした。
また、中村恵子さんの陶芸への想いはとても強いように感じました。
 
陶芸家になった理由についてお伺いしたときに、
「良いうつわを作りたいと思ってずっと続けていたら、
いつの間にか陶芸家になっていました。
それは、陶芸家になりたいという思いだけは強かったからかもしれません。
陶芸を専攻していたとき、
自分よりももっと上手な方もいましたが、
気が付いたら陶芸家になっている方はほとんどいませんでした。」
とおっしゃっていました。
 
「ずっと作り続けていたい。」
と語る中村恵子さん。
決しておしゃべりではないけれど、
物腰は柔らかで1本筋が通ったお人柄は作品にも共通しているなと思いました。
「好き」なことをひたむきに続けていたら
気が付いたら今があったなんてとても素敵ですよね。
 

3. 中村恵子さんのうつわと過ごす365日(ラインナップと使い方)

 
気が付けば何かと手にとってしまう中村恵子さんのうつわ達。
私にとっては日々を支えてくれるなくてはならないものです。
春も夏も秋も冬も。
日々の暮らしにそっと溶け込んで
なんでもないごはんを素敵に演出してくれます。

中村恵子さんのうつわとの春

DSC_1384
トーストにイチゴジャム。
ただそれだけなのになんだか素敵。
中村恵子|深緑釉プレート(S)
DSC_1187
春野菜を蒸しただけ。
シンプルな器はシンプルな料理がよくあう。
中村恵子|黒釉リム皿

中村恵子さんのうつわとの夏

DSC_0273
春の終りはすなわち夏のはじまり。
ヤングコーンをただグリルしただけでもかっこいい。
中村恵子|深緑釉楕円皿
DSC_0832
夏に食べたくなるサラダ。
1人分もりもりニース風サラダにもぴったり。
中村恵子|黒釉リム皿
DSC_0857
夏と言えばとうもろこし!
とうもろこしをすりおろしたスープを
カフェオレボウルにいれて。
温かくても冷たくても。
中村恵子|深緑釉カフェオレボウル

中村恵子さんのうつわとの秋

DSC_0307
新豆がでる頃黒豆が煮たくなります。
味わい深い粉引につやつや黒豆がいい感じです。

中村恵子|粉引そばちょこ
IMG_6077
きのこペーストをバゲットに。
ちょっとしたおつまみを盛りつけるのにも便利な6寸皿
中村恵子|黒釉プレート(S)

中村恵子さんのうつわとの冬

DSC_0014
ことことお鍋で煮たとろとろのロールキャベツ。
7寸鉢なら汁気のあるものにも重宝します。
中村恵子|深緑釉鉢(7寸)
DSC_1188
おでんの取り鉢やボルシチのような具だくさんスープに
浅めの鉢って本当に便利なんです。
中村恵子|黒釉リム皿
DSC_1097
DSC_1058
少し華やかなメニューのときにも。
シンプルなお皿はお料理を引き立てます。
中村恵子|黒釉プレート(L)(写真上)
中村恵子|黒釉楕円皿(写真下)
中村恵子|深緑釉プレート(S)

みんな大好きカレーのお皿

IMG_6168
黒いプレートにはドライカレー
中村恵子|黒釉プレート(L)
IMG_6123
粉引の深鉢には牛すじカレー
中村恵子|粉引楕円深鉢
IMG_6113
ナンにもぴったり
中村恵子|黒釉楕円皿
DSC_1197
深緑の深鉢にももちろん合います。
中村恵子|深緑釉楕円深鉢

中村恵子さんのうつわと定番料理

DSC_1602
懐かしいソース焼きそばも楕円皿に盛ればなんだかおしゃれ。
中村恵子|黒釉楕円皿
DSC_1623
羽根つき餃子にもちょうどいい大きさ
中村恵子|深緑釉プレート(L)
DSC_1109

太巻き寿司なんかの和風のメニューにもよく合います。
中村恵子|深緑釉楕円皿
DSC_1165

朝食のお皿としてもちょうどいい6寸皿
中村恵子|黒釉プレート(S)

お茶の時間

IMG_5881
いつものお茶セット。
中村恵子|深緑釉ポット
中村恵子|粉引そばちょこ
DSC_0304
一番使うのはマグカップかもしれません。
中村恵子|深緑釉マグカップ
IMG_6163
カラフルなマカロンを黒いリム皿が引き立てます。
中村恵子|黒釉リム皿
DSC_1598
新作のインディゴ×黄色。2016年入荷予定です。

子どものうつわ

DSC_1599
こどものうつわにも活躍中
中村恵子|黒釉リム皿

新作もおすすめです

DSC_1582
新作、インディゴや黄色の釉薬も素敵です。(2016年入荷予定)
 

4.最後に

 
今回まとめてみて改めて思ったのですが、
毎日毎日本当によく働いてくれるうつわ達です。
 
ひとくちに「作家もののうつわ」と言っても、
本当に多種多様でなかなか選ぶことが難しいこともありますが、
作品ひとつひとつが好きか嫌いかだけでなく、
本当に好きな作家を見つけて
その考え方や想いなどをより深く知って、共感を抱き、
その人のうつわを少しずつ買い足していくというのも
楽しみ方のひとつだと思います。
 
中村恵子さんのうつわは、そんな風に長く楽しめるうつわだなと思います。
これからも中村恵子さんに注目していきたいと思います。
皆さんも是非チェックしてみてくださいね。
 
↓↓↓中村恵子さんのうつわ達はこちら
中村恵子さんのうつわ